家畜の生産課程に
ついて
日々の生活のなかで何気なく食べているお肉や卵。ではそのお肉や卵はどのように生産されているのでしょうか。
このページでは普段触れる機会がない畜産について学ぶコンテンツとして牛・豚・鶏の一生をイラストを使って詳しく説明しています。
乳牛の一生
いつからお乳を出すのかな?
乳牛は子牛を生んで、初めて牛乳を生産するようになります。そのため、生まれてから24ヵ月齢で、最初の分娩を迎えるように管理されるのが一般的です。
子牛が母牛のお腹で育つ期間は10ヵ月ですから、14ヵ月齢頃に妊娠させます。乳牛は子牛を生んでから約1年もの間、牛乳を出し続けます。
その後も平均13〜14ヵ月ごとに分娩を繰り返し、牛乳を生産していきます。
牛乳の生産量が減るなど、乳牛としての価値が落ちる5〜6年齢頃に、肉用として出荷されます。
肉牛の一生
どのくらいで大きくなるのかな?
肉牛として出荷される牛は、肉質が充実して最もおいしくなる時期まで肥育(牛に肉をつけさせること)され、その後、出荷されて一生を終えます。
和牛で最も有名な黒毛和種の去勢牛(去勢した雄牛)は、サシが入って肉質の良くなる、約28〜30ヵ月齢(2年4〜6ヵ月)前後に出荷されます。雌牛の場合は、去勢牛よりも2ヵ月くらい長く育てられて出荷されます。
ほかの種類の牛も見てみましょう。
交雑種の去勢牛は24〜26ヵ月齢(2年0〜2ヵ月)前後、乳用種の去勢牛は早く大きくなるので21ヵ月齢(1年9ヵ月)前後で出荷されます。
アメリカの肉専用種はと言うと、15〜18ヵ月齢(1年3ヵ月〜1年6ヵ月)で出荷されています。日本ではサシが入った肉が求められるため、アメリカよりも肥育期間が長いのです。
肉牛は、種類や性別、飼われている目的によって、出荷される時期が異なっています。
豚の一生
豚は何頭生まれるのかな?
豚は肉を生産するために飼われている家畜です。したがって養豚場では、子豚を多く産ませて、早く大きくなるように肥育することを目標としています。
子豚を産む雌豚(育成豚)は発情が始まる6ヵ月齢・体重約110kgで導入され、2ヵ月後(生後8ヵ月齢)の体重約140kgで交配を始めます。
妊娠期間は114日間で、「3月3週3日」と覚えます。
母豚は一度の分娩で子豚を12頭ほど産みます。分娩後、母豚は3週間ほど(21〜25日)子豚に授乳し、離乳後は約1週間で再び発情を迎えて、交配、妊娠、分娩を繰り返します。健康な豚の場合1年間で約2.35回の分娩をするので、平均すると1頭の母豚から1年に産まれる子豚は、28頭以上にもなります。生まれたての子豚は体重が1.3kgほどです。離乳した子豚は肥育豚として、哺乳期前期・哺乳期中期・哺乳期後期、子豚育成期、肉豚肥育期を経て、だいたい6ヵ月(25週)齢・体重110〜115kgで出荷できるよう飼育されます。
鶏の一生
いつから卵を産むのかな?
卵や鶏肉をつくるための鶏たちは、卵を産む鶏「卵用種(レイヤー)」、肉を食べるための鶏「肉用種(ブロイラー、地鶏)」、卵もたくさん産むし、肉づきもよい「卵肉兼用種」に大きく分けられています。
卵用種は、ふ化してから4〜5ヵ月後くらいから卵を産み始め、1年半ほど卵をとります。その後は主に加工肉として出荷します。
肉用種には、「ブロイラー」と「地鶏」がいます。ブロイラーは早く大きくなるので、1.5〜2ヵ月飼育した後に出荷します。一方で、地鶏は歯ごたえやうま味を出すために3〜6ヵ月飼育した後に出荷します。